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賃貸住宅退去時の注意点とポイント

FPオフィス ながのココカラ 栗原です。

今日のテーマは、本来引越しシーズン前の3月初旬に発信したかったものです。
春の引越しシーズンが終わってしまったのですが、マイホームを計画されている方には役に立つ情報があるかもしれませんので、
ぜひ参考にしていただければと思います。

敷金は戻ってくる

経験談でもありますが、退去時の準備次第で手元に残るお金が大きく違ってくるケースがあります。
以前新築から入居していたアパートを退去する際、同時期に入居し、我が家より短い入居期間で退去されたお宅は修繕費とクリーニング代等で12万円の請求があったと聞きました。
その後の我が家の退去時は、
敷金から一部の修繕費(こちらに否があるもの)等を差し引き、手元に10万円超の返金がありました。
もちろん、住まい方や日頃の手入れの違い等もあったかもしれませんが、おそらく事前準備が大きくものを言ったのではないかなと思います。

ここでは、退去の際に知っていると知らないとでは結果に差が出るかもしれない「現状回復をめぐるトラブルのガイドライン」のポイントと、
実際に、退去の際どのような準備をするとよいのかをご案内していきます。

知っていますか?「現状回復をめぐるトラブルのガイドライン」

「現状回復をめぐるトラブルのガイドライン」は、賃貸住宅の退去時に、貸した側と借りた側のどちらの負担で現状回復を行うのかについてトラブルが増加したことを受け、平成10年3月に国土交通省がガイドラインとして取りまとめたものです(その後数回の改定有)。
これは退去時に参考にはなるものの、法的拘束力はありませんでした。
そして令和2年4月、民法改正によりルールが明確化されることとなりました。
これにより敷金は、「賃料などの債務を担保する目的で渡す金銭」と明確に定義されました。
つまり、敷金は家賃を滞らせず、通常の住まい方をしていれば原則返金されるお金だと法律で明文化されたということです。
「敷金は保証金なので返金しない」という主張は通用しなくなりました。

民法で明文化された現在でもこのガイドラインは参考になりますので、一度ご確認いただくとよいと思います。
ご自身の引越しだけでなく、大学進学で一人暮らしになる予定のお子さんをお持ちの親御さんたちにも知っておいていただきたい内容です。
※「成人」となる18歳から親の同意なくお子さん一人でも契約が可能になりますので、お子さんと一緒に確認されることをおすすめいたします。

「現状回復をめぐるトラブルのガイドライン」は、国土交通省HP「住宅・建築」、「民間賃貸住宅」のページからダウンロードできます。

過剰請求がないかをチェック!現状回復義務範囲を知る

まず知っておいて欲しいのは、「現状回復とは、借りた当時の状態に戻すものではない」ということです。
ガイドラインでは、借主の故意・過失や注意義務違反、通常の使用を超えるような使用による損耗を復旧することが現状回復の定義としています。
つまり、通常の損耗や経年変化は現状回復義務に含まれないということです。

例えば、
・家具の設置による床やカーペットのへこみ、設置跡
・壁等の画鋲、ピン等の穴(下地ボードの張替えは不要な程度のもの)
・専門業者による全体のハウスクリーニング(賃借人が通常の清掃を実施している場合)
などは借主の負担ではないものの例として挙げられています。
一方、
・カーペットに飲み物等をこばしたことによるシミ、カビ(こぼした後の手入れ不足等の場合)
・タバコ等のヤニ・臭い(喫煙等によりクロス等が変色したり、臭いが付着している場合)
・落書き等の故意による毀損
などは借主の負担となる例として挙げられています。
その他にもガイドラインでは、床、壁、設備等、具体的な例が記載されていますので、併せて確認しておくとよいでしょう。

ここまで読んで、「あの時負担したあの料金は払わなくよかったんじゃないか」と思った方もいるかもしれません。
実際に、請求書の中身をよく見てみると現状回復ではなく、グレードアップする改修工事費が含まれている、なんてこともあります。
逆にガイドラインを基に交渉することで返金額が多くなるケースもあります。
知らぬは罪。あとで悔んだりモヤモヤしないためにも、正しく知ることが大切です。

退去時に準備しておきたい5つのこと

では、実際に退去する際にはどのような準備と心構えで進めていけばよいのでしょう。

引越し時は退去手続きだけでなく、新居の入居手続き(賃貸の場合はこの時に退去時の契約事項もチェック)、荷物の整理等々やるべきことが多く、スケジュールに急かせれるように進めてしまいがちですが、後々後悔しないためにもまずは心構えとしてこの記事を参考にしていただければと思います。
事前の知識と心構えがあれば、いざという時(具体的な知識を忘れていたとしても)どう行動すべきかを落ち着いて考え準備することができるのではないかと思います。

なお、本記事の内容は令和4年4月時点での情報ですので、実際に行動される場合は最新の情報チェックもお忘れのないようにお願いいたします。

契約時、「賃貸借契約書」をしっかり確認する

これは契約時の注意点なので、既に入居済みの方はどうしようもないところですが...。
当たり前のことですがやはり契約時の契約書確認はとても重要です。
実際に目にすると難しい言葉や、場合によっては専門用語などが並び、見る前に拒絶反応を起こす方も多いかもしれません。
私も説明書などを読むのは苦手(基本見ない)のでお気持ちはよくわかります。※契約書等はしっかり見ます!!
そうでない方でも、なんとな~く目を通して、「まぁみんな住んでるんだから問題ないでしょ」くらいな感じで流してしまっているケースもあるかもしれません。
でも、契約書には当然に重要な決め事も記載されています。
退去時のルールも記載がありますので、必ず「目を通す」だけではなく理解、納得するところまできちんと確認することが大切です。
アルバイトの契約でも、辞める時のルールは理解して契約しますよね?「辞める時は何週間前までに申告する」など。それと同じです。

また、契約書はひな形通りのものとも限らず、場合によっては大家さんの意向が反映された項目があることもあります。
特に、「特約」等で重要な定めがある場合もありますので、契約前にはしっかりと確認しましょう。
わからない点や納得がいかない点はそのままにせず、しっかり確認、納得してから契約することが大切です。
※契約書(=同意書)を盾に退去時過剰請求されることも考えられるという自覚を持ちましょう。

加えて、入居の際の立会い確認では、入居前からあるキズや不具合をきちんと確認しておくことも重要です。
撮影日時が証明できる写真で残しておくと安心です。
入居以前からあるキズの修理費を退去時に請求されないためです。
「現状回復をめぐるトラブルのガイドライン」の中に、「入退去時の物件状況及び現状回復確認リスト(例)」がありますので、チェックの際にもこちらが役に立ちます。

ここでは詳しく触れませんが、指定のガス会社との契約が必須事項として明記されている場合があります。
問題なのは、料金の上乗せです。
ガス料金の中にガス設備の費用が上乗せされているケースがあり、ガス会社乗り換えの際に違約金が求められるケースなどが問題視されています。
こうした情報も契約書に記載されていますので、後々トラブルがないようしっかりと確認しておきたいものです。

では退去予定が決まってからの準備を見ていきましょう。

1.退去通知は決められた期日の前までに

引越しの予定が決まり始めたら、まず契約書をチェックします。
退去の連絡期限等の定めがありますので、この点は早めに確認しておかなくてはなりません。
通知日(退去日の連絡日)が問題になることがありますので、口頭だけでなく書面等(メールや配達証明郵便など)で証明できるようにしておくと安心です。
また、現状回復についての定めもありますので、こちらも再度確認しておくとよいでしょう。

2.退去通知の際、「ガイドライン」ワードで牽制

退去に際して、退去する部屋の状態を確認する立会日が設けられます。
立会日時設定の際、「立会いは“ガイドライン”に沿ってやっていただけるんですよね?」と一言添えることをおすすめします。
これだけでも十分牽制になるはずです。
“ちょっとわかってる人だな”、“ごまかし効かないな”、と思って貰うための一言になります。
これにより当日の相手の出方にも違いが出るかもしれません。

また、細かいところですが注意したいのが電話でのやり取りです。
電話をする人は夫・妻どちらでも構いませんが、こういう雰囲気はおすすめできません。
・対応が丁寧すぎて下手に出る雰囲気で話してしまう←男性サラリーマンに多い⁉
・不安そうに自信なさげに話してしまう←女性は注意⁉
こんな心掛けがおすすめです。
・声のトーンは少し低め
・毅然、淡々と もちろんケンカ腰や反感を買う物言いは論外です。
かつ(でも)
・感じよく 丁寧な言葉遣いを意識しましょう。
前述の「ガイドライン」ワードでの牽制と併せ、これも事前準備のうちと、私は考えています。
苦手な方はメールで申し出るのがよいかもしれません。

3.セルフクリーニング

“どうせもう出るし...”、と適当なお掃除はNGです。
立会時の印象が違ってきますので、可能な限りしっかりきれいにしましょう。
全体的にきれいに見えると細かい点はスルーされることも有り得ます。結局は人ですので、やはり最初の印象は大事ですよね。

4.立会いは極力複数人で

立会日は平日指定されることが多く、妻のみで対応されるケースも多いかもしれません。
ですが、立会いは敷金の返金額を査定する大事なシーンでもありますので、できれば一人ではなく複数人で対応されることをおすすめします。
また、こういう言い回しは今時適切ではないと思うのですが、私は男性に同席して貰うことも効果があると感じています。
ネクタイ締めた男性が(ネクタイはなくても構いませんが)同席するだけで、言葉は発しなくとも先方の緊張感が違います。
ただ一つ注意なのは、〝歩調を合わせる〟ことです。
余計な一言や態度で今までの準備が水の泡となってしまわないように、立会日の意味を理解、共有しておくことが大切です。
そうでないのなら、とにかく同席してもらうだけで「余計なことは言わない」と決めておくのがよいかもしれません。
手には印刷したガイドラインを、話し方や態度は前述した電話のやり取りを意識するとよいかと思います。
もちろん過度に緊張する必要はなく、自然体で全く問題ないのですが、足元をすくわれないようにだけ注意したいものです。

5.しっかり交渉

そして最後は納得いくまでしっかり交渉することです。
その場で納得がいく内容であれば交渉の必要もありませんが、腑に落ちない点などがある場合は納得いくまで安易にサインせず、必要あれば交渉しましょう。
ただ、上記の流れで行えば交渉の必要はない明瞭な見積もりを期待できるのではないかと思います。
私もガイドラインを参考にしてからは交渉に至ることはありませんでした。

清々しく新生活をはじめられるように

引越しとなると、賃貸の場合もマイホームの場合も、新たな住まいの準備に追われてそちらを重視しがちです。
新居の準備の方がワクワクしますもんね。当然です。
でもそのワクワクに最後の最後、モヤモヤが邪魔してこないように、退去準備も疎かにはしたくないものです。

昔と違い、民法での明文化やガイドラインの周知などで法外な請求や過剰請求などは減っていると思いますし、
きちんとしたチェックリストの作成、案内や説明、誠実な対応をしてくれる不動産会社さんも多くあります。
とは言え、昔ながらの感覚のままの大屋さんや不動産会社も中には存在するのでは(実際にまだまだ退去時トラブルは絶えません)と思いますので、やはり事前に知っておいて損はないのではないでしょうか。

清々しく新生活をはじめられるように、退去時の準備についても余裕があるうちにチェックしておきたいですね。
ご参考になりましたら幸いです。

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