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「2人目、3人目の子が欲しいけど諦める」の現実

こんにちは。FPオフィス ながのココカラ 栗原です。

先日、常磐道での部活動バス事故という痛ましい事故がありました。

個別の問題も多々ありそうですが、これは起こるべくして起こった事故なのではないかと感じたのは私だけでしょうか。

ニュースを聞いてドキッとした親御さんや学校関係者の方も多かったのではないでしょうか。

そもそも構造的な問題があると、個人的には思います。

今回はこのニュースから、こどもの機会格差の問題や、日々のコンサルティングの中で目の当たりにする「2人目、3人目の子が欲しいけど諦める」の現実、少子化を考えてみたいと思います。

少子化問題と機会格差は表裏一体

昨今は少子化、教員不足、働き方改革等の影響で学校の部活動も廃止になったり、校外のクラブ活動へ移行する学校も増えてきました。
部活動で遠征試合をしたり、大会に出たりするにも人手だけでなくお金がかかります。
今回のような事故を防ぐために、バス会社、プロのドライバーにお願いするとなると、それはそれで費用がかさみます。
部費で賄うにも物価高の中、親の抵抗感も大きくなるでしょう。
結果、公立では「県外活動禁止」となったり、活動は可能でも「教員、保護者運転による遠征禁止」のようなルールができたり(個人的には資金面関係なく、以前より考えるべき課題点だと思っていますが)。
資金面で工面できなければ結果的に遠征も自粛することになるようなケースも出てくるでしょう。

お金のある家庭からしかオリンピアンは生まれない

昨年のノーベル賞を受賞した坂口志文さんが、受賞時に「基礎研究の重要性」についてコメントされたことがとても印象に残っています。
今受賞した研究者たちは、若い時に基礎研究にとことん時間を費やすことができましたが、バブルが崩壊し、失われた30年を経て、すぐに成果が見込めない研究への資金投入がカットされることで、今の研究者たちが育つ頃には日本からノーベル賞が生まれなくなるかもしれない、そんなことを示唆しているメッセージのように感じました。

スポーツの才能があっても、学校に部活動はない、クラブチームに所属する余裕はない、所属することができても遠征費用を捻出できない、
そんな、「才能があるのに伸ばす機会に恵まれない」こどもたちがこれからたくさん埋もれていってしまわないかな、と事故のニュースを見ながら感じていました。

中高生に過度な部活動は不要という部活動不要論はここでは置いておき、今後は「お金に余裕のある家庭」でないとスポーツの世界でも上位を目指せないという、機会格差が生まれるのではないかという気がしています。

スポーツの世界でも、またその他の分野でも、失われた30年や少子化のツケは忘れた頃にもっと大きく表面化するのかもしれません。

1人の子に十分なお金をかけるか、何かを我慢して多子子育てをするか

「こどもは2人、3人欲しい。子育て支援も充実してきて育てることはできる。でも部活や校外クラブ、塾などに多くのお金をかける余裕はない。」
こんな家庭では、スポーツや学習の機会損失が生まれます。
レジャーなどでの体験機会も多く得られず、ここに様々な機会格差が生まれることになるのです。

「ほんとは2人目3人目も欲しいけど、こどもにはスポーツや学習など様々な経験をさせてやりたい。こどもが増えるとそれを実現するのは金銭的に難しい。」
このように考える家庭では、2人目3人目の計画を躊躇し、結果、少子化に。そして前述のような余裕のない多子家庭とは大きな経験格差、機会格差が生まれることになります。

こんな構図が透けて見える気がしてなりません。。

高校私立無償化の落とし穴

本題とは少しずれてしまうのですが、部活の話ついでにこちらも触れておきます。
高校の私立が無償化になり、私立を受験するハードルが下がったという話をよく聞きますが、大丈夫かな、と思うこともあります。
確かに無償化にはなりましたが、あくまで無料なのは授業料のみです。
その他の入学金や施設費、修学旅行費等の校外活動費は多いと公立の2倍に近くなることもあります。

部活動の話では、この度のニュースを受けても私立の場合だとバス会社を利用することで自粛することなく活動を続けられる可能性があります。
しかし、本来資金的に余裕のない家庭が、授業料は無料になったとはいえ校外活動費を無理なく負担できるのか、そういった点は見過ごされがちです。

少なくとも、高校までの教育費は手取りで賄える範囲であるべきで、ここで想定外に教育資金を取り崩してしまうようでは、大学期の資金が不足する可能性が大きくなるということを覚えておきたいです。

子育て世代が今考えていること

自分は3兄弟(姉妹)の中で育ってきたからやっぱり兄弟は多い方がいいと思う、
けど給料も上がらないし上がっても手取りは増えない、退職金も出るのかわからない、
教育費は一人1,000万以上かかると聞く、
世間からは少子化だと圧をかけられる、
先輩ママには「今の人たちは(子育て支援が厚くて)いいよね」と言われる、、
目の前には物価高、
そんな中を生きている子育て世代です。

こどもが欲しくても望めない、欲しいとも思えない、そんな声が聞こえてきます。

出生率、「2人目の子どもが欲しい」過去最低、のリアル

2025年の合計特殊出生率1.13で過去最低、というニュースは記憶に新しいところです。
そもそも、若い人が減っているのだから、出産が減るのも当然。しかしそこに加えて様々な社会的構造の問題があるというのは、ピンポイント世代には説明もいらないことでしょう。
正に負のスパイラル。

また、明治安田生命保険が2025年に行った子育てに関するアンケート調査(https://www.meijiyasuda.co.jp/profile/news/release/2025/pdf/20250930_01.pdf)によると、「2人目を望む」人が2018年の調査開始
以来過去最低の33.3%でした。
一方で、経済的な状況などが改善すれば「2人目を望めるようになる」と回答した人は約7割(69.8%と)、また、自身や配偶者の“働き方”が柔軟であれば「2人目を望める」といった回答もありました。
これが、当事者たちの声です。

また興味深いのが、子育ての費用を負担に感じている人は8割を超えているのに、こどもの習い事を節約する親はわずか15%だということです。
62%の人がその理由としてあげているのが、「子どもの将来への投資だと思うから」でした。
やはりこの思いが強いと、2人目3人目という選択肢に躊躇することにもなるでしょうし、多子世帯でもなんとかここだけは死守してやりたいと思うのかもしれません。
しかし資金にも限度がありますから、思いは同じでも格差は思うほど縮まらないかもしれません。

家族計画を資金面から真剣に考える

前述のアンケート結果に当事者たちはなんの驚きもないことでしょう。私もまた、コンサルティングを通してこれが日本の実態だということを痛感する日々です。
当事者たちが感じている、問題点や課題点に政治はどれだけ応えられているのでしょう。
センセーたち、やっぱりズレてますよね。
この声はどうしたら届けれるのでしょうか。

コンサルティングで、将来の資金不足リスクがないか、このままマイホーム計画を進めてよいか、等のご相談に答えていくのですが、最後に、「こどもがもう一人増えても大丈夫か」という視点でライフプランのチェックを希望される若いご夫婦が多いです。
子は授かりもの、なんて言いますが、もちろん望んで皆恵まれるとは限りませんが、今どきはこどもは1人か、2人か、それとも3人かと、経済的観点から真剣に考える夫婦が多いのも事実です。

最近は通常の子育て支援に加え、多子世帯の支援も充実してきました。
なんなら2人より3人の方が余裕が出るのではないか?と考える方もいるかもしれません。
しかしそれはそうとも言い切れません。
やっぱり人一人増える訳ですから、いくら教育費を減免してくれたり手当を増やしてもらっても、ベースがプラスにはなります。

多子子育てのハードルが表面的には下がっているものの、満足いく教育計画、例えば習い事や、私立一人暮らし、留学など、を考えると多子では難しいという家庭が多いのも現実です。
もちろん兄弟がいること、家族が多いことはお金では買えない心の豊かさや価値が生まれることは否定しません。
現に、「もう一人増えても大丈夫?」という方は、本来お子さまを望んでいるのです。
それでも現実として生きていくためのお金は必要ですし、こどもに満足いく教育や経験の機会を与えたいと考える親の気持ちも理解できます。

ライフプランで生涯のキャッシュフローをチェックすることは価値のあることですが、こどもを持つか持たないか、一人か二人かの指針になってるのはさみしい現実だと思います。

子育てに明るい未来

なんだか暗い話ばかりになってしまったので、最後に明るい話題はないかな~と考えたのですが、これといって思いつきませんでした(^^;
ですが、コンサルティングをしていて実感することがもう一つありました!
男性の育休がかなり浸透してきている、です。
こんなこと言ったら中小企業にお勤めの方からブーイングを受けるかもしれませんが(事実、長期の育休取得者は大企業や公務員)、ここ2年程でかなり増えたなという実感があります。
また、家事分担も極当たり前のこととして、浸透してきているんだなと感じます。それでもいざこざや論争があるのはいつの世も、ですが。

先ほども触れましたが、兄弟や家族はお金には代えがたい価値や幸福をもたらす可能性もあります。
確かに理想の教育計画を与えてあげるのが難しいかもしれませんが、何を幸せというか、感じるかは人それぞれです。
少し本題とはずれますが、お金があるからといって幸せとは限らないと、私自身の価値観が元々そういう思考ではあるものの、コンサルティングで様々なケースを見る中で深く実感することが多くあります。
共働きで世帯年収も多く、一見裕福で幸せそうに見える家庭も、中を覗けば家や車のローンに追われ、育児や家事に夫婦とも余裕がなかったり、
そもそもお金はあっても将来の不安が消えず、お金を使うのがこわい、減るのがこわいと超地味な生活をしている家庭もあります。
そうかと思えば、世帯年収は低くとも、夫婦で家事育児を分担し、無駄遣いせず慎ましい生活を送りつつも家族円満、お金をかけないレジャーで皆が幸福感に溢れているような家庭もあります。

人生100年、生活するにもましてや子育てするにもお金は必要で心配は尽きません。
ライフプランによる裏付け、チェックも大切です。
けれど、人の幸せはその人にしか決められません。お金で買えない幸せの形もあるはずです。

ライフプランを通して、そんな価値観も見つめなおすきっかけになることが何よりも「お手伝いしてよかった」と思える瞬間です。

憂うことが多い世の中ですが、自分の中の幸せを探し見つけながら、明るい未来を信じましょう!
その裏付け、勇気付けのお手伝いができるとうれしいです。

本日は以上です。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。

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