こんにちは。FPオフィス ながのココカラ 栗原です。
新年度なので、今回はお金をテーマにしてみました。
みなさんは貯金は得意ですか?
得意な人、苦手な人、いると思います。
貯めるのが苦手な人にとっては、貯金が得意な人は“才能がある”ように見えるし、“ちゃんとした人”とか、“尊敬に値する人”、くらいに思う人もいるかもしれません。
でも私はそうとも限らないと思います。
お金は貯めるだけが才能じゃない
使わなければ意味がない
と、つくづく思うのです。
今日はお金について、意外と焦点が当たらない「使う」という点について考えてみたいと思います。
お金の基本、「稼ぐ」「守る」「殖やす」

お金を「使う」ためにも、まずはこの3つを実践することが大切です。
わかりきったような話ですが、みなさん自信を持って実践できていると言えますでしょうか。
点検の意味も含め、読み進めていただけますと幸いです。
お金の基本1.「稼ぐ」

しかし、“失われた30年”を経て令和の今、給与は上がっても物価も上がって可処分所得(手取り)は増えない、そんな時代です。
少子高齢化により社会保険料も増えるばかり。
簡単には収入を増やせない中、手取りを増やすには、下記のような対策が必要になります。
可処分所得を増やす=節税
また、「ふるさと納税」は節税ではありませんが、上手に活用することで家計にプラス効果をもたらすことができます。
副業を持つ
近年では、上場企業でも副業をOKとする企業が増えてきました。
これからは副業を持つことも当たり前の世の中になるはずです。
収入源を複数確保しておくということは、「稼ぐ」ことへのリスクヘッジにもなります。
共働きにする
最近は専業主婦を希望する若い女性も多いそうですが、妻の就労を切実に願う夫さんがとても多いことに“時代だなあ”と感じることがよくあります。
給与が上がらない、将来が見通せない中、何十年も住宅ローン返済の責任を負うことに相当なプレッシャーを感じる方も多いようで、
“働きたくない(子育てに専念したい)妻”、“少しでも負担を軽減したい夫”の心の声が垣間見えることがあります(´▽`)
ライフプランで見れば、当然のことながら結果は歴然と違ってきます。
ダブルインカムは目に見える収入面だけでなく、夫の精神面での負担軽減にも効果をもたらしそうです。
長く働く
定年も延びてきていますし、働く元気なシニアはたくさんいます。
ライフプランでも、老後資金に不足がある場合の対策の一つとして、定年(継続雇用終了)後も働く想定にすることがあります。
70歳まで働く想定にするだけで、収入を相当抑えてもキャッシュフローが大きく改善することがあります。これも共働きで実践できれば、年金と貯蓄切り崩しだけの生活よりかなり余裕が生まれます。
ただし、働ける状態ならね、です。
働くつもりがあっても、健康でなければ実現できません。
ライフプランでもこの策ありきで老後対策をすることは望ましくないと考えています。
最後の策、くらいに思っておいた方がいいのではないでしょうか。
お金の基本2.「守る」

稼いだ分を全部使ってしまったら、ケガや病気で働けなくなった時、など緊急事態時に生活していけなくなってしまいます。
貯金
緊急時、すぐに取崩しができるお金をプールしておくことは基本中の基本。
緊急予備資金として、理想は年収分程度、少なくとも半年分の収入額程度は流動性資金として手元に置いておきたいです(注:タンス預金という意味ではありません)。
保険
保険といえば、誰もが医療保険や死亡保険を想像しますが、ある程度貯金があれば、極論医療保険は不要です。
死亡保険は、団信があるからと解約してしまう方がいますが、団信で不要になるのは住宅ローンの返済だけです。
それ以外の生活費や教育費が貯蓄で賄えるのであれば、保険は不要です。
また、死亡時よりも経済的リスクが大きいのは、病気やケガで“生きているけど働けない”時です。
生きているので死亡保険は役に立ちません。住宅ローンも、通常の団信の場合、生きているので返済免除にはなりません。
もし何千万という貯金があって、それをこうした時に使えるのであれば、何度も言うように保険は不要です。
しかし、お金があっても色の付いたお金、つまり用途の決まったお金、何千万あるけどこれは教育費、住宅費、老後費と他に回せない、回したくないお金であれば、ないに等しいことになります。
貯蓄で賄いきれないお金は、適切に保険で準備することが大切です。
お金の基本3.「殖やす」

これからは稼いで守る、それだけでは人生100年生き抜けないのが現実です。
稼いで守ったら、次は投資です。
投資
これからはお金にも働いてもらわないと、お金を増やすことはできないんだということに気付き始めた人が多くなったのか、はたまた単なる流行りものなのか、多少懐疑的な感も拭えませんが、新制度になってからNISAを始めた方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。
“貯金ではお金は殖えない” 殖えないどころか、“何もしないとお金は減る”のです。
インフレリスクです。
当オフィスでも、何年も前から投資の勉強会などで触れてきたことですが、当初は「インフレ」と言われてもポカン、な人が多かったです。
最近はインフレという言葉も世の中に浸透し、みなさん実感を持って絶賛体験中とあり、うんうん、という反応が多く見られるようになってきました。
定期預金率が100倍になったからって、日銀が目指すインフレ率(基調的な物価上昇率)2%の中、金利0.2%でお金を貯めればどうなりますか?
お金の価値は目減りしてしまいます。
資産の目減りを防ぐには、インフレ率以上の利回りでの運用が必要なのです。
お金との付き合い方に見られる2パターン

単にお金を貯めるといっても、前述の3つの基本をバランスよく実践できている方は案外少ないのかもしれません。
もちろん性格や得意不得意、価値観の違いもあるでしょうし、家計の状況によっては貯める以前の問題を抱えているご家庭もあるかと思います。
それでも人生100年時代、将来に向けしっかり資産を蓄えていきたいと、誰もが思うのではないでしょうか。
そして、同じ貯めるのが上手な人でも、もしくは上手じゃないけど苦労して貯めた人でも、「使う」となるとまた別の才能が必要なんだと、多くの方を見ていて感じます。
大きく分けて2パターン、あなたはどちらのタイプですか?
使うことに喜びを感じる人
浪費傾向でどちらかというとお金は貯まりにくい
性格的にはどちらかというと楽観的な方が多い気がします(あくまで個人的感想です)。
お金を貯めるのには苦労するけど(うっかりすると貯まらない)、ある程度欲しいものを得たり、趣味やレジャーを楽しんでいて、とりあえず日々楽しく暮らしている印象です。
困った点は、注意しないとお金が貯まりにくいのと、楽観的なので将来のことをあまり真剣に心配していない点です。
「なんとかなる」で乗り越えていければよいのですが、そうでない場合が大変です。
夫婦ともにこの傾向が強いご家庭は、将来的に大きな破綻リスクを抱えているケースが多いので、それにいつ気付けるか、いつ手を打てるか、がカギになりそうです。
貯めることに喜びを感じる人
倹約傾向でお金を貯めるのが上手
性格的にはどちらかというと心配症な方が多い気がします(あくまで個人的感想です)。
使うことにあまり興味がない、とにかく倹約的でお金は順調に貯まっていきます。
困った点は、「お金が減るのがこわい」というマインドです。
貯金は平均よりずっと多くあるのに、将来これで足りるのか常に心配、だからお金を減らしたくない、お金を使うのがこわいとさえ思っている。
夫婦ともにこの傾向が強いご家庭は、貯金はたっぷり順調に貯まっていきます。
ただ、ここぞという時、必要な時に大きなお金を投入する勇気と決断が持てるかどうか、がカギになりそうです。
どちらも間違いではない
夫婦でタイプが違う場合もあるでしょう。その場合、バランスがよいとは思いますが、実際にはどちらがイニシアチブを握るかによりその傾向が強まることはあるかと思うので、そこは注意です。
そして、どちらも性格や価値観の違いであって、どちらがよい悪いではないと思います。
大事なのは、その特性を理解して活かしつつ、リスク対策をするということです。
とはいえ、絶対将来苦労するのは浪費タイプの人でしょう、と思いますよね。
でもです、やっぱりお金は使ってなんぼ、使ってはじめて価値が出るというものです。
貯めるのが得意で使うのが苦手な人は、人生で大きなチャンスを逃しているかもしれません。
お金は「使う」にも才能がいる

世の中には使い過ぎて困っている人もいれば、使うのがこわくてあるのに使えない人もいるんだと知ると、お金は貯めるだけじゃなく使うことにも才能がいるんだなあとつくづく思うわけです。
本当のお金持ちとは
一方、使うところでは派手に使います。
お金の使い方を知っているんだなと思うし、使い方がとにかく上手、使い方に緩急があります。
自分の中に、お金との付き合い方のルールがあるのだと思います。
そしてお金はそういう人のところに集まっていくんだなとつくづく感じます。
そういう意味では、マインドも含めていうと、本当のお金持ちってなかなかいないなと思います。
「使う」も含めてお金との付き合い方が上手な人こそ、真のお金持ちになれるんだろうなと思います。
どっちが幸せなんだろう
それもきっと感じ方はそれぞれで、いろんな価値観があるのだと思います。
個人的には、いつ死ぬのかもわからないのに心配ばかりじゃ楽しくない、と思うし、リスク対策は必要だけど、今を楽しむのも同じくらい大事、と思います。
なので貯金がたくさんある人が羨ましいかというと...どうかな、です。
ある資産家の老夫婦は、余りある資産の贈与や相続対策に毎年労力を使い、私とは見えている世界が違うんだな、と思うばかりで、お金持ちって大変だな、と思うことはあっても、羨ましいとか幸せそうと思ったことはありませんでした。
お金があるだけでは幸せにはなれないなと思うのです。そりゃあった方がいいけど。
大切なのは、お金との付き合い方

結局大事なのは、お金との付き合い方なのではないでしょうか。
お金は薬にも毒にもなる
将来のためにとせっかく倹約して貯めたお金を結局使うことなく、たくさん残したまま亡くなり、子が喜ぶと思いきや、相続でもめて「争続」になったり、
これまで仲良かった兄弟姉妹が絶縁したりすることもよく聞くケースです。兄弟姉妹が仲が良くても、嫁が参戦してこじれるケースもあり。
お金を持ちすぎたり、お金に固執しすぎたりで、ちょっと人生おかしなことになってしまう人もいますよね。
やっぱり、持ってりゃいいってだけのものでもなさそうです。
貯め上手、使い上手を目指そう

この4つをバランスよく、上手に循環させることが賢いお金との付き合い方なんだと思います。
得意な分野はそのままに、苦手な分野は少し意識して強化してみるとよいかもしれません。
今日はお金について考えてみました。
しっかり稼いで、守って、投資して、そして有意義にお金を使う。
それが上手に実践できれば、より豊かな人生になるのではないでしょうか。
...いろいろあるけど、私はお金を使い切って死ぬのが夢です!←意外と共感者が多いことにびっくり。
何気これが一番難しいことだなと思っている、今日この頃です。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。
ご参考になりましたら幸いです。