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《FP解説》家計節約術 基本の考え方とおすすめツール

FPオフィス ながのココカラ 栗原です。

みなさんは何か家計の節約を実践されていますか?
こどもの頃や実家住まいの時には、親に「電気付けっぱなし!」と叱られても正直ピンとこなかったという人でも、一人暮らしをするようになったり結婚して家計を管理するようになって初めて節約の意味を実感するようになった、という人も多いのではないでしょうか。

特にここ最近はガソリンや光熱費の高騰、食品や日用品等物価の上昇が続き、家計への負担が増え、家計の見直しをより真剣に考えようとしている方も多くなっているのではないかと思います。

今回は家計の節約術について解説します。

まずは家計のチェックから

節約を実行するにあたって、その効果を検証するためにも、まずは現状の家計をチェックするところから始めます。
そもそも節約以前に問題がある点がないかの確認も怠ってはいけません。

家計簿はつけるべき?

みなさん家計簿はつけていらっしゃいますか?
当オフィスご相談者さまの7割程度は、つけていない、です。
きちんとつけている方の印象として多いのは、産休・育休中の方、新婚さん(子なし)、専業主婦の方です。
そして、つけていない方の中にも、「以前はつけていた」というケースも多く、その以前というのが上記のケースに当たることが多いです。
つまり仕事をするようになってからはつけることができなくなったということです。
これは仕方のないことだと思います。
働きながら、子育て、家事もしながら、「家計簿」で家計を管理する余裕はなかなか生まれないですよね。

では家計簿はつけるべきなのか。
個人的な答えとしては、
・つけた方がいいことには違いないが、ただつけるだけでは意味はない
・自分に合った(性格など)方法で、ざっくりでもいいので管理できていれば最低限良しとする
「食費」や「交際費」など、気になる項目だけに絞って管理する方法でもOK
そんなところでしょうか。
家計簿をつけていることに満足して、分析や見直しなどの管理ができていなければただの記録でしかありません。
授業できれいにノートを取る事に満足して、内容が頭に入っていないのと同じです。

という訳で、家計簿の有無はそれほど重視しないのですが、やはりつけていないことの弊害はあると感じます。
「どんぶり勘定」です。
専業主婦で家にいた頃はあんなに気を付けて管理していたのに、働きはじめたとたんにどんぶりさんになってしまう人がとても多いです。
程度に差はあれ、パート、正社員に限らずの傾向です。
おそらく理由は、
・時間に余裕がなくなり、外食やスーパーの総菜購入頻度が増える
・収入が増えたことでちょっと買いが増える
・収入が増えたことでご褒美出費が増える
にあるのかなと思います。
目に見えた贅沢がなくても、ちょっと買いが増えるなどの日々の積み重ねは収支化してみると意外と大きくなっていることが多いです。
ここは注意が必要な点ですね。

そういった意味でも、簡単でもいいので意識しながら続けられる方法で、何かしら家計簿らしき管理をする、というのがおすすめかなと思います。
家計簿アプリを使うのもおすすめの方法ですが、こちらも意識しながら続けられることが重要なので、自分に合ったアプリを見つけるというのが大切です。

家計、支出の中身

月の支出の中身は、大体下記の内容になるかと思います。
・家賃・住宅ローン
・教育費
・保険料(生命保険、損害保険)
・食費
・日用品
・水道光熱費
・通信費(新聞代含む)
・交通費
・衣類費
・外食費
・交際費
・美容費
・お小遣い
・レジャー費
・その他ローン(車、奨学金など)
・その他雑費、不定期出費、使途不明金など
分類の仕方は上記の通りでなくてもよいので、管理しやすく分類すればOKです。
また、上記は「月」の支出であり、これとは別に年単位で発生する支出もあります。
当オフィスの総合コンサルティングでは、自動車関連費を上記と併せ細かくヒアリングしています。

固定費と変動費

上記の項目のうち、固定費と呼ばれるものはどれでしょうか。
主なものは、
・家賃、住宅ローン
・教育費
・保険料
・水道光熱費
・通信費

変動費の主なものは、
・食費
・日用品
・衣類費
・外食費
毎月決まった金額内でやり繰りしている場合は、固定費とする考え方もあるかもしれません。

家計節約術、基本の考え方

上記のように細かく毎月管理できている方は多くないかもしれませんが、少なくとも家計を見直したいな、節約したいなと考える場合はそれぞれの項目をチェックする必要があります。
月の収支をチェックしたら、次に具体的な節約方法を考えていきます。
大事なのは、ストレスなく継続できる方法であること、です。

まずは基本となる考え方を確認していきましょう。

努力不要の固定費の見直し

収入に対して、または家族構成に対して、明らかに出費が多いと感じられる項目は意識的に見直し、節約することが必要ですが、
その上で家計を見直す際に基本となる考え方は、
「固定費を見直す」ことです。
固定費の見直し(削減)には、一度見直してしまえばあとは努力なしで家計負担を軽減させることができるという効果があります。

努力が必要な変動費の見直し

一方、食費のような変動費の削減は、努力が必要な項目となります。
もちろん場合によっては変動費の削減も必要になりますが、努力を要する節約は上手にやらないとストレスになりますし、長続きしない、リバウンドするなど、失敗するダイエットのような側面もあります。
また、がんばった割には効果が出にくいということも多く、それがまたストレスになったりリバウンドに繋がるのです。

という訳で、家計を見直す際にはまず努力が要らない固定費の見直しから、というのが鉄則となります。

費用対効果からも固定費の見直しが勝ち

努力がいらないと言っても、見直しの際には情報収集や手続きなど、一定の時間や労力を要します。
場合によっては見直しの際に一時的に手数料等追加の出費が発生することも有り得ます。
しかし、費用対効果という側面から考えた場合、やはり確実な支出削減が図れる固定費の見直しは変動費見直しより効率が良いと言えます。

ですので、見直しの際に必要になる一時的な努力や出費を惜しまず取り組むことができるかどうかが第一関門となります。

注意が必要な固定費見直し

家計の節約に当たっては、固定費の見直しを優先して行う、としました。
ですが、ただ節約すればよいというものでもありません。

ここでは固定費見直しの際に注意すべき点を確認していきます。

通信費の見直し

通信費の見直しについては、格安SIMがまだまだ知られていない10年以上前から個人的に研究し、当オフィスでも2014年設立時より、「通信費見直しコンサルティング」メニューでこれまで多くの見直しをお手伝いしてきました。
2021年の菅さんの政策により、大手キャリアの通信費も格段と安くなり、格安SIMへの乗換えも自力でできる方が増えてきて、当オフィスのコンサルティングも一定の役割を果たしたかなと感じているところです。
※まだまだ上級者を目指す方にはマニアックなサポートを提供しています。

通信費の見直しがマストなのことには間違いありません。
ただ、注意していただきたいのが、
使用実態に合った見直しであること
が見直しの大事な前提条件となることをしっかり押さえた上で実行いただきたいということです。
安くすることは簡単ですが、使用実態に合った見直しでないと使用時にストレスを感じたり、逆に高くなったりということにも繋がりかねません。

例えば使用時のストレスで言うと、通信速度などです。
格安SIMの通信速度は各社違いがあります。
動画視聴やゲーム使用などが多いユーザーであれば、料金だけでなく通信速度にも注意して選択しないと、「安くはなったけど速度が遅くてストレス」ということが起こり得ます。
また、地方ではあまり気になりませんが都会では昼時や夜間など通信費使用量が増える時間帯は速度が低下するケースもありますので、許容度によっては見直しのネックになる場合もあるでしょう。
他にも仕事やレジャー等で僻地や山間部での使用が多い方などは、大手キャリア(楽天を除く)の方がより安心です。

そして料金がむしろ高くなる、というのは通話が多い方のケースですが、これに関しては現在では格安SIMでも完全かけ放題メニューを設ける会社が増えてきましたので、以前ほどの注意は必要なくなってきています。

いずれにしても、見直し自体のハードルは下がりましたが、使用実態に合った見直しをするということが大事だということです。
ただ、失敗しても違約金なく再乗換え可能ですので、まずは思い切って見直してみるというのもアリかなと思います。
※初期手数料はかかります。

保険の見直し

確かに保険も固定費の一つですし、節約に限らず加入内容が適切かどうかを定期的に点検することは大切です。
ただ保険は他の固定費とは根本的な性質が異なります。
ただ安くすればいいというものでもありません。
そもそも保険の本来の意義は、「社会保障や貯蓄で賄えない分を補う」というものであり、適正な保障額というのは年齢や家族構成、収入、だけでなく、貯蓄の額や守りたいライフプランによって異なるものです。

医療保険に関しては、公的保障が充実しているためある程度の貯蓄、緊急予備資金があれば極論、加入がなくても大きな問題はありません。
逆に、貯蓄に余裕がない世帯は最低限の加入が必要でしょう。保険料負担が生じるという矛盾がありますが、考え方としてはそういうことです。
また貯蓄があっても手の付けられない色の付いた貯蓄(教育費、住宅費等名目がある)であったり、貯蓄を切り崩したくないという人も加入が必要かもしれません。

医療保険よりも重要な意味を持ってくるのは死亡保険や就労不能時の保険です。
目先の節約も大切ですが、適切なリスクへの備えも軽視すべきではありません。
もちろん、今の生活や保険料とのバランスも大切なので、ある程度の妥協や許容も場合によっては必要ですし、保障を大きく削ることなく保険料だけ削減できるような見直しができる可能性もあります。

また、減額や解約は簡単ですが、増額や再加入となると改めて健康状態も問われますし、基本的には年齢が上がると保険料も上がりますので、以前と同じような条件で加入できるとは限らないという点にも注意したいものです。

とにかく、明らかに過剰加入している場合を除き、根拠のない、または根拠に信頼性のない安易な削減はおすすめしません。

光熱費の軽減、家電の買換えも効果大

以前は新電力会社への乗換えで電気料金を大きく削減するといった節約術も可能でしたが、エネルギー環境が激変した現在では、そういった方法もなくはないものの、選択がより難しくなってきました。
倒産している新電力会社も複数ありますし、逆転して料金が高くなった、というケースも出てきているからです。

ではどのような節約手段があるでしょうか。
光熱費は固定費でありながら、節約の努力でも削減が可能な項目です。
小さなことでも日々の積み重ね、ちりつもで意外と効果が見込める場合もあります。

ここでは細かな節約術は割愛して、家電の買換えによる効果を考えてみたいと思います。

損して得取る!家電節約術

家電製品は年々省エネ効果が向上していて、買換えによる節約効果も大きくなってきています。
とはいえ買換えとなるとまとまったお金が必要になりますし、省エネ効果が高い商品は販売価格もお高めとあり、なかなか踏み出せないという方も多いかもしれません。
故障ではなくまだ使用可能となると、なおのこと思い切るきっかけがないものです。
ですが省エネ効果は思った以上に大きいのです。
長期間使用している家電の買換えとなるとその効果はより顕著なものとなります。

確かに買換え時の初期費用は必要になりますが、そうはいっても家電は永遠使えるものでもありません。
壊れてしまえば嫌でも買換えなければならないものです。
いつ買換えるかを検討するにあたっても、その効果がどれ程のものなのか、確認できるとよいですよね。

省エネ、節電比較ナビ「しんきゅうさん」《環境省》

省エネ製品への買換えが節電効果アリと言われても、実際にどれくらい節電になるのかピンとこず、決め手に欠けると思われる方も多いのではないでしょうか。

そこで、活用できるのが環境省が開設している、
省エネ製品買換ナビゲーション「しんきゅうさん」です。
現在使用している製品の情報と、購入を検討している製品の情報を入力することで、年間電気代や年間便器洗浄水量などを簡単に比較することができます。
比較できる製品は、
・照明、器具LED照明
・エアコン
・冷蔵庫
・テレビ
・温水洗浄便座
の5つです。
さらに詳しく比較したい場合は、平均使用時間や使用状況などを入力することでより実態に近い数値を算出することもできます。
新築やリフォーム等で複数製品をまとめて買換える場合は、まとめて比較することも可能です。

家電は一度買換えると10年前後と長期に使用するケースが多いですので、買換えの際には性能や値段だけでなく、省エネ、ランニングコストという点も含め検討するのが賢いかもしれません。
「しんきゅうさん」も活用しながら検討してみましょう。

キャッシュレス決済の活用とポイ活

最後に、家計見直しの際にキャッシュレス決済やポイ活も上手に取り入れ、楽しくお得に節約するワザもおすすめしたいなと思います。
※ここでは具体的な方法は紹介していません。

現金主義という方、同じ消費額でも年間6万円~20万円弱の差が付くとなると考えも少し変わりませんか?
すでに生活に積極的に取り入れているという方は、よりお得な生活にするため更に上級者を目指してみるのもよいかと思います。

なぜ今キャッシュレスに注目するのか

キャッシュレスの活用を推奨するのはなぜでしょう。
一つは、金利の低下です。
みなさんはどうやってお金を貯めていますか?
貯蓄が1000万円以上ある世帯でも、その全てが銀行預金、というケースをいくつも見てきました。
現在の普通預金金利はいくらですか?
0.001%です。定期預金で0.002%の世界。※大手銀行の場合
これではお金を減らすために預けているようなものですよね。
年2%のインフレが継続した場合、現在の100万円は30年後には55万円の価値になってしまいます。

2つ目は、可処分所得(手取り給与)の減少です。
給与が上がっても手取りは思ったより増えず、上がった実感がないという方も多いと思います。
日本の可処分所得は20年以上減少しています。
少子高齢化による社会保険料の増加は、今後も続くものと考えるのが妥当。
そこへきて最近の物価高。実質賃金も下がり続けています。

手取り額は増えない、預金だけではお金は増やせない、増やすどころか減ってしまう、なので投資※が必要になるのです。
※コツコツと時間をかけて行う投資
ただ、投資が必要と言っても投資をするには最低限の知識も必要になりますし、リスクがゼロな訳ではありませんよね。
貯蓄の全てを投資に回すのも間違いです。

そこで、併せて活用したいのがキャッシュレス決済です。

キャッシュレスの活用は、支払い方法を変えるだけ!

キャッシュレスの活用は、現金で支払っていたものをカード払いに変える、コード決済に変える、だけです。
投資のようなリスクもありません。
ただし、使い過ぎてしまうという心配をリスクと捉える方、最低限の収支管理ができない方は積極的使用は控えるべきです(この場合は固定費支払いのみカード払いに)。

仮に年間300万円の生活費支払いをキャッシュレス化して、平均2%のポイント還元とすると、年間6万円が還元されることになります。
現金払いでは戻ってこないお金です。

ポイントの多重取りなどテクニックを駆使できる上級者であれば、年間15万円以上、20万円弱の還元も可能です。
私もこれまでに総額100万円以上の還元を受けてきました。

上手に活用すれば、家計という面から見ても実質負担軽減に繋がるのです。
これは使わない手はないですよね。

ちなみに「ポイ活」というとちまちまコツコツポイントを貯めるイメージがあるかもしれませんが、私がお勧めしているポイ活はそういった類ではなく、ちょっとしたテクニックで多重取りをするような方法をポイ活としておすすめしています。
もちろん時間があり、苦にならない方はコツコツポイント収集もプラスするとよいでしょう。

当オフィスの総合コンサルティングでは、家計改善の一手段として、キャッシュレス決済の活用方法もレクチャーしています。
またその際は、その方のライフスタイルに合ったクレジットカード選びから、そのカードを活かしたポイ活方法でレクチャーしています。
※家計の状況等により、キャッシュレスを推奨しない場合もあります。

家計簿代わりにもなるキャッシュレス決済

冒頭、家計簿の必要性についてお話ししましたが、キャッシュレス決済を利用することで家計簿の代わりにもなるんです。
今時は100円単位から煩わしくなくキャッシュレス決済とすることができますし、全ての決済履歴は明細に記載され、webやアプリ上でいつでも確認ができます。
中上級者になれば、日常のほとんどの決済をキャッシュレス化しますので、下手な手書きの家計簿より正確で詳細な家計簿ができるのです。
浮気夫はクレカを持ちたがらない。足が付きますからね(笑)

節約術はストレスなく楽しみながら行うのが吉

切羽詰まった状況ではなかなかストレスなく節約するのは難しいですが、理想としてはなるべくストレスなく継続できる節約術がよいですよね。
ダイエットも上手くハマって効果が目に見えるとやる気も出ますし、楽しくなれば継続することも苦ではなくなってきますよね。それと同じかなと思います。
個人的には節約よりダイエットの方が難しい気がしますが;;

今回お話しした節約術は、家計を「点」で見た時の改善策です。
もちろん日々の積み重ねはライフプランにも思った以上に影響してきますので、「点」での点検、見直しは大事なことです。
当オフィスの総合コンサルティングでも、まずは月の収支をチェックするところからスタートします。
ですが、本当に大事なのは「面」でみた収支です。
仮に現時点「点」での収支に問題がなくても、ライフプランを通して「面」で見た際には将来的に破綻リスクがあったり、老後生活費に余裕がないことがわかったりします。
そしてその問題の度合いによっては、小手先の節約術や家計見直しだけではどうにもならないこともあります。

「点」での家計チェックはご自身でもある程度可能かと思いますが、将来の収支を「面」でチェック、見直しするというのはなかなか難しいことではないかなと思います。


FPオフィス ながのココカラでは、将来に渡る収支の確認、家計改善、見直しを総合的にサポートしています。

ご不明な点などがございましたらお気軽にお問合せください。
※全国対応可能です。

今回は家計の節約術について解説しました。
少しでも生活のヒントになりましたら幸いです。

本日は以上です!
最後までお付き合いいただきありがとうございました。

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