
FPオフィス ながのココカラ 栗原です。
これからマイホームを計画したいとお考えのご家庭にとって、近頃のニュースは悩ましいものばかりなのではないでしょうか。
2020年のコロナショックにはじまり、ウッドショック、住宅価格の高騰、円安による物価高、長期金利の上昇、火災保険の値上げ…。
物価ばかりが上がって給与はなかなか上がらない。
一見上がったかのように見える給与も、実際には社会保険料の増加で実質給与のアップはなし…。
ほんとに今家を建てるべきなのか、変動金利を選ぶべきなのか固定金利にするべきなのか…。
悩みが尽きない、あるいは何から考えたらいいのかわからない。
そんな方が増えているのかもしれません。
考えれば考えるほど視野が狭くなる
固定金利は上昇基調で変動金利との金利差はさらに広がっています。
今こそ金利の低い変動金利型を選ぶべきなのか、それとも今後の金利上昇に備え固定金利型でフィックスしておくべきか。
金利差を理由に変動を選択するという意見もあれば、固定金利を選択する人や変動金利から固定金利へ借換えする人が増えているという情報もあり、「どちらが正解なのかわからない」というご相談が増えています。
そして、考えれば考えるほど、「そもそも自分たちにはどちらのタイプが適しているのか」という視点から逸脱し、「どちらの方が得なのか」という損得勘定に陥ってしまっている人が多いように感じています。
変動金利と固定金利、どちらがお得なのか
変動金利型は将来の金利が確定しないからです。
この金利推移ならこちらの方がお得、この推移ならこちら、とシミュレーションすること自体は検討材料にはなりますが、それをしたからといって「正解」が判明する訳ではありません。
だからこそみなさん迷い、悩んでしまうのでしょう。
結局最後はアタリをつけて、よし、自分たちはこの線(想定)で行こう!きっと間違いないはずだ、と暗示をかけ?選択されている人も多いのではないでしょうか。
人生100年時代、必要なお金は住宅だけではない
これは一部その通りで、一部疑問に思います。
ウエイトが高い資金だからこそ、無理な資金計画は危険だという認識は正しい考え方です。
一方、だからと言って住宅ローンにばかり目が行き、判断基準を損得勘定に委ねてしまうのもちょっと違うのかな、と個人的には感じています。
住宅ローンに限ってのキャッシュフロー、損得ではなく、残り人生トータルでのキャッシュフローを検証することにこそ意味があるのではないかと思うのです。
細かいことを言えば残りの人生が何年なのかはわかりませんし(ライフプラン上では100歳までを想定し、検証します)、老後元気なのか生きてるけど介護が必要なのかもわからない、必要資金も想定でしかありませんが、少なくとも視野を広げることで見えてくるものもあるのではと、私は考えています。
迷った時こそ視野を広げる
そもそも本当にマイホームが必要なタイミングなのか
もちろん可能な限りご希望を尊重し、サポートするのですが、「家を買うためのコンサルティング」ではありません。
住宅メーカー雇われのFPであれば、家を買う(売る)ためのコンサルティングをしてくれるかもしれませんが、当オフィスの場合は違います。
ライフプランを通して現実を把握していただき、ご希望を満たせるよう改善点を探ります。
ヒアリングを通してお客さまの価値観に合った、実現可能な方法で、改善していきます。
その過程で、ご希望を満たすのが難しいという場合は、妥協点をどこにするのか、何を優先するのかを一緒に考えます。
その上で、住宅購入を最優先に、というご希望であればそのための改善案をご案内します。
ちなみに当オフィスではあまりこのタイプのお客さまはいらっしゃいません。コンサルティングを通して考え方が変わってくる方もいらっしゃいます。
そして、中には「本当に今マイホーム購入が必要ですか?」と問うケースもあります。
例えば、
40代のご夫婦でお子さまが高校生、今まで購入検討する余裕がなかったが、いよいよ手狭に感じマイホームを検討している
のようなケース。
同じようなご相談でも、問題なく住宅購入のお手伝いをできるケースもあるのですが、中には選択肢として別の考え方をご紹介することもあります。
・ライフプラン上、住宅購入も可能だが、住宅ローン負担は70代まで続く。
・退職金は多く見込めず、一括返済は難しい。
・今の間取りが必要なのはあと数年の可能性も。こどもたちは進学や就職、結婚で別居となるかもしれない。
ローン負担がなければよいが、将来不要になる間取り分もローンは続く。
・今必要な間取りと快適さは、一時的に賃貸でも得られる可能性がある。
・老後、夫婦二人住居なら必要な間取り、資金も少なく済む。
・将来こどもたちが実家の土地に住むとは限らない。
・遠くない将来、こどものマイホーム計画時に二世帯住宅という選択肢があるかもしれない。
今目いっぱい住宅ローンを負担するのではなく、二世帯で収入合算ローンとし、援助と少ないローン負担を実現できる可能性。
・リバースモーゲージという選択肢も場合によっては視野に入れられる可能性がある。
など。
つまり住宅ローンを利用して大きな家を買うタイミングとして今が本当に適していますか?という問いです。
貯蓄や退職金が多かったり、ご実家に土地をお持ちで必要な住宅資金が高額ではない、などの場合は問題なくご案内できますが、そうではない場合は、本当にその選択肢しかないのか、ということも併せて考えて貰います。
「手狭になって、年齢的にももうマイホーム購入しかないと思い込んでいたけど、それが全てではないと思い始めた」という方も少なくありません。
もちろんあくまで選択肢としてのご案内、問いかけであり、最終的にはお客さまの価値観とご意向を尊重し、解決策を見出していきます。
住宅購入やローン選びに悩んだら

本当に欲しいもの、優先すべきものは何なのか。答えに自信を持てない方、
答えはあるけど実現可能か不安な方、
そんな方はご相談ください。