
FPオフィス ながのココカラ 栗原です。
新型コロナが世の中のトピックの中心となってから3年…。
収束を見ることなく、ロシアのウクライナ侵攻のニュースが世の中に暗い影を落としています。
物価の上昇にガソリンの高騰。私たちの衣食住にも様々な影響が及んでいます。
これから住宅取得を検討されている方には今まで以上に悩ましい情勢になっているのではないでしょうか。
今回は今後の住宅ローン金利について考えてみたいと思います。
ただ、先に申し上げておきますが、確かな答えはどこにもありません。
この記事が少しでも参考になりましたら幸いです。
注目ポイント1.アメリカの利上げ
3月16日、アメリカの中央銀行にあたる連邦準備制度理事会(FRB)が金利引き上げを発表しました。
アメリカはインフレを抑えるためゼロ金利政策を解除し、金融引き締めへと舵を切った形です。
注目ポイント2.日本の金融緩和維持
一方、日本では3月18日、日本銀行がこれまで通り大規模金融緩和を継続することを表明しました。 インフレ対策より景気対策を優先する形です。
日本も固定金利はじわりじわりと上昇基調ではあるものの、 引き続き金融緩和を継続するとの判断にあり、変動金利に関してはすぐに金利上昇という可能性は低いものと思われます。
ただ、金利上昇時は固定金利が先行するものですし、 それに何よりも気になるのは…
注目ポイント3.日銀総裁2023年4月任期満了
これまで大規模な金融緩和を続けてきた日銀の黒田総裁が、来年4月に任期満了を迎えます。
後任人事によっては金融政策が大きく変更される可能性も否定できません。
9年かけて異次元の金融緩和を実施してもなお目標達成できず、賃上げもそれほど進まない上に、副作用が悪目立ちしてきている実情があるからです。
つまり金利が上昇しないという約束はないということです。
注目ポイント4.固定金利利用者の増加
2022年に入ってから、固定金利型の住宅ローンを選択する人が増えてきました (とは言えまだまだ変動金利選択者が多数ですが) 。
変動金利は超低金利水準を維持している一方、元々変動金利より金利が高い上に、既に金利上昇基調にある固定金利を敢えて選ぶ人がじわりと増えてきているのです。
これは何を意味するのでしょう。
いろいろな考えの上にある判断だと思いますが、先に述べたアメリカの利上げや日銀総裁の時期人選、それに伴う金融政策の行方、コロナの今後、物価上昇や賃金アップの動向、ウクライナ情勢…等々、先行きの不透明感が増していることへの警戒心も要因として大きいのではないでしょうか。
今選ぶなら変動金利?固定金利?
行き着くところは確かな答えのないこの問いになる訳ですが、結局考え方はいつもの通りで恐縮です。
上記のポイントを参考に、 安心、安定を考えるなら固定金利を、
金利優先(※ ただし将来的には不確定 )、いざという時には繰上げ返済もつもりできる、経済状況等変化時には臨機応変に対応できる、のであれば変動金利を、
選択されればよいのではないでしょうか。
ちなみに経済状況変化時に臨機応変に対応するというのは、案外難しいものだとは思います。
世の中の経済状況だけでなく、お子さんの教育費の計画等に迫られている時期と重なる可能性もあり、総合的な判断が必要となります。
ある程度の金融リテラシーがあれば問題ありませんが、あまり自信がない方の場合は大変かもしれません。
また、固定金利だと返済が厳しいという理由で変動金利の選択を考えている方、
そういう方はそもそも資金計画に無理があると言わざるを得ません。
まず変動金利を選んではいけませんし、固定金利で支払いが厳しいと感じるのであれば、資金計画から見直す必要があるかもしれません。
私ならどちらを選ぶか
もし今私が住宅ローンを利用するとしたらどちらを選択するか。
借入れ金額が大きければ迷わず固定金利を選ぶと思います。
借入れ金額が少ない場合は、正直迷うと思います。
迷うとは思うけど、今の金利なら多分固定金利を選ぶでしょうね。
変動金利は問題を先送りにする感がめんどくさいなと思います。
経済状況が変わった時、あれこれ検証し判断するという課程を想像した時、「めんどくさいな」と思ったのが決め手になるかもしれません。
それなら住宅ローンは固定化してしまって、経済状況が変わっても基本住宅ローンは放置(淡々と支払いを続ける。か場合によっては繰上げ返済)の上、その他のお金のやり繰りや、投資でお金を殖やすことに専念する方が面倒も少なく効率的だと結論づけるかなと思います。
ただこれは自分の性格や価値観を考慮したもので、変動金利を選ぶことが間違いだとは思っていません。※金額が大きい場合は間違いだと思います。
ですのでこちらはあまり参考にならないかもしれませんが、今とは違う状況に直面した時に、自分がどう感じどう行動する(できる)かを想像してみるのも大切かなと思います。
宣言通り明確な答えはありませんが、何かのヒントになりましたら幸いです。