NEWS ニュース

ENTRY

お申込み・お問合せはこちら

現金で買うより住宅ローンで買う、という選択

FPオフィス ながのココカラ 栗原です。

当オフィスでは、子育て中の20代~30代の方からのご相談が一番多く、〝マイホームが欲しいけど貯蓄に余裕がない〟というご家庭が多いのですが、中には慎ましい生活をしながら若くして何千万という蓄えをお持ちの方からのご相談もあります。

ご相談内容は、〝今後のライフプランについて確認したい〟というものですが、この場合、「マイホームはキャッシュで買います」という方がほとんどです。

住宅ローンを組まなくていいように、コツコツと貯めてこられたのでしょうから当然の考えでしょう。

今回は、ちょっと違った切り口から住宅ローンを考えてみたいと思います。

賢い人は敢えて住宅ローン

手元にまとまった資金があるのなら、何も借金する必要ないでしょう。

ごもっともですね。
しかし、賢い人なら何千万というキャッシュがあっても〝敢えてマイホームは住宅ローンで購入する〟という方もいるでしょう。

どういうことでしょうか。
現在の住宅ローンは、超低金利な上税制上の優遇もあるからです。
多額の貯金をお持ちの方は収入も高いケースが多く、住宅ローン控除メリットを最大限活かすことができるのです。

※住宅ローン控除については「こちら」もご参考にしてください。

いやいや、そうはいっても金利や融資手数料等負担しないといけないじゃないか。
確かにそれはそうです。
そこは、住宅ローン控除適用期間中は税制メリットを享受しつつ、貯蓄に余裕があるので余剰資金を投資に投入。
この際住宅ローン金利よりも高い金利を得られれば、金利負担も相殺できます。
控除適用期間終了とともに、残金を一括返済すればよいのです。
住宅ローン種類についても、収入が多く手元資金も潤沢なのですから変動金利の選択も問題ないでしょう。
審査が厳しめのネットバンキング系住宅ローンの借入も視野に入れられます。

「変動金利を選んでいい人、選んではいけない人」はこちら

あるいは、10年固定金利でもいいでしょうし、住宅性能を上げフラット35(全期間固定金利)のS、タイプAを適用させ金利優遇を得るのもいいでしょう。
全期間固定金利であれば、将来市場金利が上昇した場合敢えて返済に資金を一括投入するのではなく、低い金利で返済を続けながら高金利で手元資金を運用するという選択もアリです。

教育資金は大丈夫?

なにより、手元にキャッシュを残しておくことで得られるメリットが他にもあるということを知っておいてください。
まとまった現金が必要になるのは住宅購入だけではありません。お子さんが小さいご家庭は、教育資金についても準備しておかなければなりません。

お子さんが3人とも大学までオール国立、自宅通いの場合

こちらのケースは、30代半ばのご夫婦と小学生以下のお子さん3人の5人家族。
独身時代からコツコツ貯めたお金で住宅ローンを組まずにマイホームを購入する、というご希望でした。

老後の対策はしておきたいものの、大きな問題はないと言えます。

3人のお子さんのうち2人が私立大学、一人暮らしになった場合

長野の場合、十分にあり得ることですね。

この場合、教育資金がかさむ時期にも破綻リスクが出てしまいました。
「うちは国公立にしか行かせない!」というならこのリスクはなかったことにできますが、「私立になっても大学には行かせてやりたい」
と考えるのであれば、これでは問題があります。

借りてるお金を余裕ができたからと早く返すのは可能ですが、足りなくなったから払ったお金を返して、ということはできません。

〝敢えて住宅ローン〟のメリット

そこで、〝敢えて住宅ローン〟の選択をした場合はどうでしょう。

2つのパターンを見てみましょう。

将来の不確定な支出に現金で備えることができる

※ここでは老後の破綻リスクには焦点を当てません(対策・改善可能です)。

控除期間終了後の一括返済は難しいものの、破綻リスクは回避しつつ、60歳完済も可能な試算になっています。

進学が国公立で確定して余裕が生じれば、もっと早い完済も可能でしょう。

住宅ローンを利用した方が収支が安定する場合もある

※上記と同条件での借入れ内容

全期間固定金利であれば無理に完済しなくとも、上記のように余裕を持って返済しながら老後資金対策にお金を回す選択もアリです。

今回はわかりやすく全額キャッシュの場合と全額住宅ローンの場合でシミュレーションしましたが、もちろん一部を現金で手元に残しつつ、残りを住宅ローンで借り入れる、というパターンも考えられます。

万が一や就労不能時の備えは万全ですか?

こういったケースのご相談が今までにも何件かありましたが、ほぼ全件、共通した残念な点がありました。

万一や就労不能時の備え不足です。
貯蓄に余裕がある故の結果なのでしょうが、色の付いた貯蓄、つまり〝住宅購入のための貯蓄〟や、〝教育資金としての貯蓄〟というように名前の付いた、用途の決まった貯蓄であればそれはないに等しいということです。
〝もしもの時に生活費に回せる〟貯蓄であれば、保険は不要でしょう。
しかしそうでない場合は、やはり保険でリスクをカバーする必要があります。

上記のキャッシュで住宅購入するケースで、事故や病気で働けなくなったらどうなるでしょうか。
ライフプラン表は割愛しますが、見るとゾッとしますよ。
住宅ローンの場合も、死亡時であれば団信があるので住宅ローン負担はなくなりますが、〝生きているけど働けない〟という場合はどうでしょう。
手元のキャッシュで住宅ローンは返せても、教育資金や老後資金の準備はどうなるでしょうか。

貯蓄が多い人の盲点なのかもしれません。

借金はしない方がいい。けど住宅ローンは〝利用する〟という手もある

所得や貯蓄に余裕のない方は、住宅ローンの借入額や種類の選択など、借金なので慎重にしていただきたいですが、
所得や貯蓄に余裕のある方は、住宅ローンを上手く利用するのも一つの手だということを知っておいてください。

もちろん、いずれの場合も長期のライフプランのチェックや資金計画が重要だということは、言うまでもありません。

CONTACT お問い合わせ

幸せなマイホーム生活を送るために
些細な疑問・不安でもご相談ください