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繰上げ返済と住宅ローン控除どちらがお得?

FPオフィス ながのココカラ 栗原です。

今回は総合コンサルティングでよくある質問を取り上げてみたいと思います。

〝繰上げ返済と住宅ローン控除どちらがお得?〟

わかっているようで意外とわかっていないこのテーマについて、考えてみましょう。

まずは、繰上げ返済と住宅ローンについて、簡単に説明します。

繰上げ返済と住宅ローン控除

繰上げ返済と住宅ローン控除にはそれぞれにメリットがあります。
それぞれの特徴とメリットを簡単に確認します。

繰上げ返済

繰上げ返済とは、毎月の返済以外に借入額の一部を返済することです。
利息を軽減させる効果があり、返済するタイミングが早い程、利息軽減効果があります。
返済期間を短縮させる方法と、毎月の負担額を軽減させる方法がありますが、多くの方は前者、期間短縮を目的に繰上げ返済されます。
例えば、35歳で住宅ローンを返済期間35年で契約した場合、完済できるのは35年後の70歳時ということになりますが、70歳まで現役の収入が得られるとは限りませんので遅くとも65歳までには完済したい、というような場合に期間短縮型の繰上げ返済を行います。

住宅ローン控除

住宅ローン控除とは、住宅ローン返済開始から10年間、所得税と住民税を軽減させるという制度です。
制度の概要は上記の通りです。

住宅ローン控除で軽減される税金額(年間)は、
・年末ローン残高の1%
・年間最大控除額(40万円)
・納税額
のうち、一番低い金額です。

繰上げ返済と住宅ローン控除どちらがお得?

繰上げ返済、特に早期の繰上げ返済には利息を軽減させる効果があります。
一方、住宅ローン控除は住宅ローン残高が大きい程、税金が軽減されるという効果があります。※上限有り
それぞれにメリットがある繰上げ返済と住宅ローン控除ですが、
ではどちらを優先させる方がお得なのでしょう。

11年目(14年目)に繰上げ返済する方がお得!?

当オフィスにご相談に来られる方の多くは、〝税金軽減メリットがあるため10年間(13年間)は繰上げ返済せず貯金して、11年目(14年目)に繰上げ返済する方がお得〟とお考えのようです。
本当にそうなんでしょうか。
まず、ほとんどの方が「住宅ローン残高の1%」が軽減されると思ってらっしゃるのですが、実際には前述したように3つのうち一番低い金額が適用されますので、所得が少なく納税額も少ない方の場合、住宅ローン残高の1%より少ない金額になることがあります。
加えて、住民税から引ききれない額は翌年の住民税からも引いてくれるのですが、こちらは上限があるため額によっては全額控除になるとは限らないのです。

最大控除額の恩恵を受けられるのは、年収700万円以上というのがが目安になりそうです。
また、金利や借入総額、返済期間等によっても、どちらがお得かは変わってきます。

〝繰上げ返済より住宅ローン控除の方がお得〟とは限らない

下記のような方は、住宅ローン控除を優先させるよりも、むしろ早期に繰上げ返済する方がお得となる可能性が高いです。

●借入額が多く、金利が高い(概ね1%以上)
逆に、下記のような方は住宅ローン控除の恩恵を10年間(13年間)受け、控除期間終了後に繰上げ返済する方がお得となる可能性が高いです。
●借入額が少ない
●10年以上の固定金利で、金利が1%以下

注意が必要なのは変動金利の方です。
金利が1%以下であれば住宅ローン控除を優先した方がお得、と言いたいところですが、変動金利は金利上昇のリスクがありますので、借入額が多く、借入期間も長期の場合は、リスク軽減のためにも早期の繰上げ返済が安心かなと思います。

ただし、手元資金に余裕のある方であれば、低金利の住宅ローンにお金を投入(繰上げ返済)するよりも、投資等で手元のお金を殖やす方が賢いかもしれません。
手元資金に余裕があれば、金利の動向を見ながら、どこにお金を投入するのがお得かという判断をしていくのがよいかなと思います。

注意が必要な繰上げ返済

全ての人が〝繰上げ返済より住宅ローン控除の方がお得〟とは限らないということをご理解いただけましたでしょうか。

最後に、繰上げ返済をする際の注意点をお伝えしていきたいと思います。
前述のケースで繰上げ返済がお得になるからといって、安易な返済をすることはおすすめできません。
少なくとも次の3点は心得ておきたいところです。

●手元には緊急予備資金として年収の1年分、最低でも年収の半年分(目安)は確保しておく
●手元資金が潤沢でも、今後の教育資金等が不透明で上振れする可能性がある場合は慎重に判断する
繰上げ返済をしたがために教育資金が足りなくなり、教育ローンを組む、なんてことになれば本末転倒です。教育計画が定まっていない場合は、特に注意が必要です。
●景気の動向によっては、繰上げ返済が必ずしもベストとは限らない
金利の低い方へお金を投入するより、高金利で運用する方が金融資産が増えるケースも有り得ます。

繰上げ返済はまとまったお金を支払う訳ですから、ライフプランの状況によっては慎重に行わなければならないということも大事なポイントになってきます。
そしてそのためにも、将来のキャッシュフロー(収支)を確認しておくことは大切です。
FPオフィス ながのココカラの総合コンサルティングでは、繰上げ返済vs住宅ローン控除の試算も行うことができます。

家づくり計画でなによりも大切なのは〝正しい資金計画〟です。
そのためには家づくりが具体化する前、これから家づくりを計画したい、という段階から現在と将来のキャッシュフロー(お金の流れ/収支)をチェックし、正しい資金計画をすることが大切です。
〝欲しい家を買うための資金計画〟ではなく、〝無理なく返していける資金計画〟にすることが、失敗しない家づくりの一番の近道なのです。
家づくりをお考えの方は、お気軽にお問合せください。

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