
FPオフィス ながのココカラ 栗原です。
住宅金融支援機構の調査(2018年度)によると、60%以上の人が変動金利、固定期間選択型も含めると、80%以上の人が変動型を選択していることになります。
一方、「変動型」、「固定期間選択型」利用者の住宅ローンの商品特性や金利リスクに関する理解度については、「全く理解していない」、「よく理解していない」、「理解しているか少し不安」とする回答の平均が、50%を超えています。
〝ハウスメーカーの営業の方に勧められたから〟
〝周囲も皆変動金利だから〟
〝低金利が魅力だから〟
そんな理由で変動金利を選択しようとしている方は、本当にその選択で問題がないのかをもう一度よく考えてみませんか?
変動金利には、固定金利にはない複雑なルールや注意点があります。
知らないと怖い変動金利の落とし穴…
営業の方やお友達はきっと教えてくれません。もしかしたら銀行でも理解できる説明がないかもしれません(実際に理解しないまま契約している人が多くいます)。
でもローンを返していくのは自分たちです。
〝こんなはずじゃなかった〟とならないように、どんな特徴があるのかもう一度確認していきましょう。
押さえておきたい2つのルール
では、金利が上昇あるいは下降した際、実際の返済額にどのように反映されるのか、きちんと答えることができるでしょうか。
金利が変動した際には、適用される2つのルールがあります。
5年ルール
金利が上昇しても5年間は返済額は変わりません。でも実際には返済額に占める利息の割合が増えているため、〝思ったより借金が減っていない〟ということが起こるのです。
見直し時期にタイムラグがあるため、金利上昇時、負担が増えていることに気付きにくいという点に注意が必要です。
125%ルール
急激な金利上昇が起こり、直前返済額の125%を超えた場合は、「未払い利息」が発生します。
こうなってしまうと、〝返済しているのに借金が増える〟という事態に。
過去に一度だけ発生したことがあります。
変動型を選択するのであれば、少なくとも上記のルールくらいは理解しておきたいものですね。
※優遇金利の落とし穴については「こちら」
変動金利を選んでいい人、選んではいけない人

いえいえ、変動金利がいけないと言っているわけではないのです。
当然、高金利時代であれば変動金利の方がおすすめです。
また、低金利時代においても、変動金利のメリットを活かせるケースもあります。
低金利時代の変動金利は、選んでいい人と選んではいけない人がいるのです。
変動金利を選んでいい人
・借入金額が少ない
・返済期間が短い
・資産が多くある、またはまとまった収入見込がある
変動金利を選んではいけない人
・借入金額が多い
・返済期間が長い
・不確定要素※が複数ある
※子の人数、妻の就労計画、夫の転職計画など
変動金利は、仕組みを理解した上で金利が上がっても耐えられる財力が必要といえます。
大切なのは、無理なく返していける資金計画

住宅ローン選びをテーマに2回にわたり、簡単に説明してきました。
住宅購入を検討する際、「家」と「住宅ローン」に着目しがちですが、一番重要なのは資金計画です。
それも、〝欲しい家を買うための資金計画〟ではなく、〝将来にわたって無理なく返していける資金計画〟であることが大切です。
「将来にわたって」という視点もポイントです。
点で見るのではなく、面で見ることが重要です。
住宅ローン選びがイコール正しい資金計画とも限りません。
住宅ローンは完済できても、老後の生活費がなくなってしまうようでは正しい資金計画とは言えません。
家づくりで後悔したくない、家を購入した後も幸せな暮らしを守りたい…
そうお考えの方はご相談ください。
FPオフィス ながのココカラが納得の家づくりをサポートします。